04923-171019 shioゼミの運営方法
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〈SIGMA sd Quattro H + 24mm F1.4 DG HSM〉
通りかかった同僚の先生と、ゼミ運営のノウハウを共有。こうして教員は日々、FD(Faculty Development)しております。
2000年にshioゼミが始まって以来、ゼミの運営方法は基本的に一貫しています。今年度、Scrapboxの利用によってドライブがかかり、ゼミ活動が加速しました。 shioゼミは2、3、4年生合同。shioが学生だった慶應義塾大学のゼミが複数学年合同だったので、2000年に成蹊大学に着任した時からずっとゼミを複数学年合同で開講しています。当初は3・4年合同。途中から2・3・4年生合同で現在に至る。1年生だけ別のゼミとして開講していますが、合宿やOB会などイベントは全学年合同です。
複数学年合同開講のメリットは、「ゼミの文化」が年度を超えて継承されること。毎年共通に必要な基礎的事項は先輩から後輩へと伝わり、教員はそれをゼロから教える必要がないため、より実質的な内容の指導に時間と労力を用いることができる。
複数学年の学生が協働することで「教えあい」、「半学半教」が自然と実践される。下級生が素朴な疑問を出し、上級生が考えて表現して答えて教えることで、双方の思考と理解が深まる。理解できていないことも明らかになる。議論が自律的に進むため、教員は大きな流れの舵取りと個々人の論述の添削に力を傾注できます。 どうしてもおかしい場合だけはshioから疑問を呈することもあるけれど、基本的には黙って見守る。大概、しばらく進んでから隘路にはまって、議論の経路を遡って見直す必要に学生たち自身で気づくから。それを、待つ。
ゼミの議論は自律的に進みます。たとえ教員が不在でも大丈夫。自力で議事を運営するスキルも磨かれます。
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〈SIGMA sd Quattro H + 24mm F1.4 DG HSM〉
そのような「口頭の議論」と同じことが、「文字の議論」でも実現するのがScrapbox。学生たちが各自、答案や判例評釈を起案し、相互に添削、コメントしあう場がScrapbox。 例えば、ゼミで典型的な「発表」の時にスクリーンに表紙するのもScrapboxのページそのまま。発表中、聞いている学生たちも手元のMacで同じページを開いているから、みんながその場で内容を編集していきます。相互貢献。効率的。
Scrapboxは、トップページに表示するカード(サムネイル)の順序を選択できます。shioゼミのScrapboxは基本的に「Date modified」で表示。最新の編集順に画面の上から並ぶから、序列がどんどん入れ替わる。継続的に活動している人のカードは常に画面の上に来ます。
これがScrapboxをゼミで使う大きな効用のひとつ。論述した人、調査した人、リンクを追加した人、写真を掲載した人、図を描いた人、記録をとった人、タイピングの練習をした人、など、何らかの活動(編集)をした人のカードは上にいる。誰が何をやっているか一目瞭然。活動していない人は画面下に沈んでいく。
Scrapboxという創造の「キャンバス(canvas)」がそのままゼミ学生たちの「キャンパス(campus)」。
Scrapboxはアカデミックな活動のフィールドです。
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〈SIGMA sd Quattro H + 24mm F1.4 DG HSM〉